手仕事の風景 ―新収蔵・東北陶磁と芹沢銈介作品―
期間:2024年10月8日(火)~2025年1月31日(金)
東北福祉大学が運営する芹沢銈介美術工芸館では、染色工芸家である芹沢銈介の作品・収集品を原点としています。福祉や教育の道へと進む学生達の感性を、芸術の力によって育み、また地域にひらかれた大学ミュージアムとして、35年にわたり展覧会活動が行われてきました。
このたび東北福祉大学では、江戸後期から明治・大正期にかけての東北近世陶磁1380点と関連資料を新たに収蔵しました。これらは長介氏が長きにわたり収集されたもので、これまで宮城県加美町の東北陶磁文化館において、多くの来館者の目を愉しませてきました。型絵染の人間国宝である父・銈介の美的感性を受け継ぐ長介氏が、考古学者である自身の眼で選びぬいたコレクションには、東北の風土や生活文化が色濃く反映されており、民藝においても他に類を見ない膨大で秀逸なものです。ひとびとが自然や文化と共生してきた証左ともいうべき品々は、これからの時代の暮らしを思い描くとき、私たちにさまざまな感性をよび起してくれることでしょう。
本展では、新収蔵の東北陶磁より、会津本郷、大堀相馬、平清水、楢岡、堤といった窯場のやきものを、人間国宝・芹沢銈介の型絵染作品とともにご紹介します。銈介は日本各地の窯場や紙漉き場を訪ね歩き、生き生きと働く陶工や、自然あふれる仕事場の様子など、心に刻まれた風景を着物や屏風、のれんに染めあげました。趣深い東北陶磁の数々と、芹沢作品が呼応する「手仕事の風景」をご体感いただけます。
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